睡眠外来での看護師の役割とは?
看護師の役割と連携
睡眠外来では、睡眠の状態を客観的に評価するために、睡眠中の脳波や眼球運動、心拍数などを同時記録するPSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)を行うほか、簡易検査といったさまざまな検査を実施します。看護師は、検査内容や流れを患者に分かりやすく説明し、不安なく検査に臨めるような気配りが欠かせません。検査中は、患者の状態を注意深く観察しつつ、必要に応じて医師へ報告し、機器の装着やデータ測定の補助などを行います。また、最初に行う問診では、現在の症状や睡眠習慣、既往歴などを詳しく聞き、睡眠日誌をつけてもらうことも。看護師は、患者から提供された情報をもとに、医師の診察や検査がスムーズに行われるようサポートします。
ただ、睡眠外来における看護師の役割は、医療行為の補助に留まりません。患者の生活全体を包括的に捉え、きめ細やかなサポートを行うことが求められます。具体的な看護ケアとしては、環境整備や生活指導、症状のコントロール、精神面のケアなどです。
たとえば、睡眠に影響を与える可能性のある食事の内容や時間、入浴のタイミング、運動習慣などを把握し、生活リズムを規則正しく整えるための助言を行います。
睡眠障害に悩む患者を支えるため、医師やセラピストなどの他職種と連携し、患者にとって最善のケアを提供するのが仕事です。看護師は、患者との信頼関係の構築を重視し、不安や緊張を和らげられるように、明るく丁寧な対応を心がけることが大切でしょう。
看護計画で工夫すること
このようなきめ細やかなケアを行うために欠かせないのが、看護計画です。睡眠外来では、患者の状況を的確に把握し、具体的なケアにつなげるため、観察計画(O-P)、ケア計画(C-P)、教育計画(E-P)の3つに分けて計画を立案します。
たとえば、観察計画では、睡眠時間や睡眠中の様子、日中の活動量や眠気など、具体的な観察項目について「いつ、どこで、誰が、どのように、何を観察するのか」といった5W1Hで明確にすることが需要です。これによって、患者の状態を的確に把握し、適切なケアに繋げられるでしょう。
ケア計画では、設定した観察項目に基づき、「いつまでに、どのような状態を目指し、どのようなケアを実施するのか」を具体的に計画。教育計画では、患者自身が睡眠に関する正しい知識を身につけるための指導内容や方法を検討します。これらの計画は、状況に応じて適宜見直しを行うことが大切です。
やりがいを感じられる
睡眠外来での看護師の仕事は、決して楽ではありません。ただ、患者の睡眠の質の向上、そして日常生活の改善に直接貢献できるという大きなやりがいがあるのではないでしょうか。
睡眠衛生指導や認知行動療法、CPAP療法など、専門的な知識や技術を用いながら、患者のセルフマネジメントを支援し、その変化を目にした時には、言葉にできないほどの喜びを感じられるはずです。睡眠に悩む患者とその家族にとって支えとなることができる、それが睡眠外来で働く看護師の大きな魅力だといえます。